ASEC第1期の総括と課題

ASEC活動の主な成果

  1. イオンが伝導する固体酸化物を使った電気化学デバイスに関し、ASEC参画企業が必要とするニーズに基づき、フレキシブルに対応できる共同研究の集団として機能
  2. 研究開発プロジェクトでは、一社ではリスクが高い課題を検討:学術・基礎研究よりは進んだ段階の基盤研究を試行的に取り組み、一定の成果を得た
  3. 研究開発プロジェクトにおいて、これまでのSOFCの出力密度を10倍にする、革新電極材料の創製や革新セルスタックプロセスの研究開発を推進
  4. その目標を達成する基本技術を確立。成果は特許等に出願。
  5. 戦略シナリオ検討において、SOFCセルスタックのコスト分析、適用先などの調査を行うとともに、SOECやセクターカップリング、モビリティへの適用に関する調査・講演会などを開催し、意見交換、戦略などを総括し、本コンソーシアムの参加者に有益な情報を提供

残された課題(第2期での新たな課題)

  1. 研究開発プロジェクトの内、ナノ電極の開発では、性能向上、機能性発現メカニズムがある程度解明されたが、その出力・耐久性向上に関して不明な部分もあり、工業的なプロセス展開など、さらなる研究開発が必要である。
  2. 2050年温室効果ガス実質排出ゼロの目標が掲げられ、これまでの想定よりもより早く脱炭素化への研究開発取り組みが必要となった。CO2を回収するネガティブエミッションなども視野に入れ、新たな戦略シナリオを取り組む必要が出てきた。