熱電変換・熱制御研究チーム
無駄のないエネルギーの活用を推進するため、未利用熱を利用価値の高い電気に直接変換できたり、電流を使った高精度な温度制御に利用できる熱電変換材料・技術を開発しています。
研究テーマ
- 熱電変換材料・モジュールの高性能化と資源制約からの脱却
- 熱電変換モジュールの耐久性向上、評価技術の高精度化
- 熱電変換(熱電発電とペルチェ冷却)を用いた高度熱マネジメントの実現
研究チーム長紹介/挨拶
太田 道広
電気と比較すると、熱を上手に制御する技術にはまだまだ開拓の余地があり、学術的にも技術的にも面白い分野です。皆さんの身の周りにも、捨てられるだけのもったいない廃熱が多く存在しています。われわれは、これら未利用熱から電気を生み出す熱電変換技術について、幅広く研究している世界的にも数少ない研究チームです。熱を使いこなし、エネルギー利用の効率化に貢献していきたいと考えています。
メンバー紹介
宮田 全展
石田 敬雄
山本 淳
Sauerschnig Philipp
舟橋 良次
天谷 康孝
大川 顕次郎
三上 祐史
高橋 徹
谷田 武雄
藤本 直子
元木 美保子
林 由起子
山内 直史
熱を上手に使い省エネルギー・低炭素化に貢献
有効活用されずに捨てられている熱エネルギー(未利用熱)は、実に一次エネルギー供給の6割に達しています。さらに、各種デバイスや様々なプロセスなどの省エネルギー化を達成するためには、熱マネジメントの効率化を達成する必要があります。固体半導体素子から構成される熱電変換モジュールは、未利用熱を利用価値の高い電気に直接変換できたり(熱電発電)、電流を使った高精度な温度調整に利用できます(ペルチェ冷却)。私たちは、熱電変換技術の実用化と普及を実現するために、最先端材料からモジュール、発電実証、評価までの幅広い研究開発を一貫して実施しています。最先端の製造・分析・評価機器を整備して、熱電変換技術の研究開発を推進しています。
熱電変換に関する材料、モジュール、評価まで幅広く研究開発
①最先端の材料科学を駆使して材料の変換効率を向上
熱輸送と電気輸送の自在制御による熱電変換材料の高効率化と、資源制約の少ない元素(硫黄・マグネシウムなど)や有機物を主成分とした新規熱電変換材料の開発に取り組んでいます。
②モジュール開発、発電実証
熱と電気の損失の少ない電極の開発や、劣化原因の解明と安定性の向上などを通じて高性能な熱電変換モジュールを開発すると共に、関連熱技術(伝熱、放熱など)との融合によるシステム開発も実施しています。
③高度評価技術
公正な市場形成を支えるために、熱電変換試験用参照モジュールを開発して国際的な相互評価を進め、評価技術の高度化を推進しています。
④橋渡し~技術を社会へ
株式会社モッタイナイ・エナジー(産総研発ベンチャー)の創業を支援するなど、国内企業と幅広く連携して熱電変換の実用化を目指しています。