自己紹介
2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けた、家庭部門のエネルギー消費削減に向けた研究を行っています。
「地球温暖化対策計画(2021年10月22日閣議決定)」では、家庭部門のGHG排出量を2030年度までに2013年度比で約66%削減することが明記されています。これは、産業部門や業務部門と比べても極めて高い目標となっています。この高い目標は、LEDの普及や住宅の高断熱化といった単一の技術の普及のみによって達成することができるものではありません。何よりも家庭は「私たち」の生活の場でもあり、私たちは「環境のため」「経済性のため」のみに生きている分けではありません。そのため、家庭部門におけるカーボンニュートラルの達成には、「ライフスタイル」を考慮した取り組みが不可欠です。しかし、私たちは自分のライフスタイルはわかっていても、社会の他の人々がどのようなライフスタイルで生活をしているかはほとんど知りません。
そこで、私たちの研究では社会の中に蓄積された「ビッグデータ」、特に電力ビッグデータに着目して、人々のライフスタイルをビッグデータから分析することによって、家庭部門のカーボンニュートラル化を目指しています。
現在の社会にはライフスタイルを分析するためのビッグデータが大量に蓄積されています。例えば、日々消費する電力量は、スマートメータによって30分単位で蓄積されています。こうしたビッグデータを解析するための技術として、近年急速に発展するAI、特に深層学習を用いた分析を実施しています。
私たちのグループでは、社会に蓄積されたビッグデータを解析するため、IoTデータなどの大規模時系列データ解析に特化したスーパーコンピュータシステムである、集合知解析基盤(GAMA)を開発・運用しています。GAMAを用いることで、従来は何ヶ月も要していたビッグデータの解析を数時間で行うことができるようになりました(下記動画参照)。
現在は、こうしたビッグデータから人々のライフスタイルを分析し、個々の家庭のライフスタイルやニーズを満たした住宅のエネルギーを自動制御する技術開発を進めています。
外部予算による研究
研究代表
研究分担者
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