資源循環技術研究チーム

ゼロエミッション社会にかかせない希少な元素を高効率で分離回収

リチウムイオン二次電池(LIB)、希土類磁石、触媒などの原料となるレアメタル・貴金属の資源制約解消のために、高効率かつ低環境負荷での分離回収技術を開発しています。

資源循環技術

研究テーマ

  • 簡便な希土類磁石リサイクルプロセスの構築
  • 未利用資源からの希土類元素回収技術の開発
  • 廃LIBからの新規レアメタル回収プロセスの構築
  • 高効率白金族回収技術の開発

社会貢献・
実装イメージ

都市鉱山からの希少金属リサイクルプロセスを構築。

研究チーム長紹介/挨拶

研究チーム長

大石 哲雄

脱炭素化や循環型経済への移行などの国際情勢を受け、高効率な製錬・リサイクル技術の重要性は国内外でこれまで以上に高まっています。当チームでは実用化可能なプロセス構築を通じて、ゼロエミッション社会における金属資源制約の解消に貢献したいと考えています。

大石 哲雄

メンバー紹介

総括研究主幹 (兼務 資源循環技術研究チーム)

成田 弘一

メンバー(兼務)

大木 達也

メンバー(兼務)

林 直人

招聘研究員

田中 幹也

テクニカルスタッフ

粥川 理恵

テクニカルスタッフ

斎藤 智子

テクニカルスタッフ

冨田 薫

テクニカルスタッフ

矢口 未季

テクニカルスタッフ

吉岡 万子

ゼロエミッション社会の実現に必要なエネルギー技術には、リチウムイオン二次電池(LIB)、希土類磁石、白金族触媒などが必要不可欠です。これら部品の原料となるレアメタル・貴金属の資源制約を解消するためには、都市鉱山や未利用資源からこれらの金属を分離回収することが必須となります。よって当チームでは、高効率かつ環境負荷の低い金属分離回収技術の研究開発を行っています。

希土類元素回収技術

単一工程による希土類分離・回収

  • 希土類磁石に必要な希土類元素(DyやNd)を低コストで回収するために、従来法の最終工程にあたる溶融塩電解に高度な選択性を付与し、廃磁石から直接分離回収するプロセスを検討しています。
  • この高度な選択性を発現するため、合金隔膜上での電気化学的合金化/脱合金化を利用した新しい概念の分離手法を産総研が中心となって開発しました。

未利用資源からの希土類元素吸着分離

  • 重希土類元素は生産国が偏在し、供給構造の脆弱性が指摘されています。新しい重希土類元素の資源として、これまで回収が技術的に困難であったため使用されていなかった未利用の資源(廃棄物,鉱山工程液,海底鉱物等)に着目し、回収技術を検討しています。
  • 産総研では、希土類元素に対し極めて高い親和性を有する配位子を見出し、さらに実用化を視野に入れた吸着剤作製法について検討し、重希土類高選択性吸着剤を開発しました。

LIBリサイクル

廃LIBから全てのレアメタルを個別に回収

  • LIB用正極材には、リチウムやコバルト、ニッケル等のレアメタルが使用されています。これら金属の持続可能性等を考慮し、欧州などでは規則改正によって水平リサイクルを義務づける動きがあります。しかし、製錬を基盤とする従来技術の応用では、全てのレアメタルの回収が困難という問題がありました。
  • 産総研では、炭素等の還元剤を用いる手法(炭素還元法)を提案しています。新規プロセスでは、リチウムを含む有価金属を回収できるため精錬等の高純度化プロセスと組み合わせることで水平リサイクルが可能となります。

白金族金属回収技術

溶媒抽出法による白金族金属分離

  • 白金族金属の分離精製工程では、有機化合物である抽出剤を用いて、溶解工程で得られた水溶液から選択的に金属を抽出する溶媒抽出法が広く用いられます。
  • 産総研では、パラジウムを迅速に抽出しかつ耐酸化性に優れた抽出剤チオジグリコールアミドを開発しました。この抽出剤は、試薬会社から購入可能であり、実プロセスにおける使用実績もあります。

関連動画

研究

Mechanism Analysis of RE–Ni Alloying and Dealloying for Rare‑Earth Magnet Recycling(片所優宇美, 大石 哲雄)

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技術融合アワード(片所優宇美)

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溶融塩奨励賞(片所優宇美)

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Katasho, Y.; Oishi, T., In Situ X-ray Diffraction/Fluorescence and Crystal Orientation Analysis for Nd–Ni Electrochemical Alloying and Dealloying in Molten Salt, J. Electrochem. Soc. 2025, 172, 062505

Published JUN 25 2025

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