多接合太陽電池研究チーム
人工衛星など用途が限られていた多接合太陽電池の低コスト化技術や、既存の太陽電池の軽量化・薄型化・小面積大容量化などの開発を行っています。

研究テーマ
- 超高効率Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体太陽電池の低コスト作製法(ハイドライド気相成長法)の研究開発
- 各種太陽電池の低コスト接合技術(スマートスタック)の開発
- 高効率薄型結晶Siヘテロ接合太陽電池の研究開発
- Si太陽電池の革新的パッシベーティングコンタクトの研究開発
- ペロブスカイト/Si多接合太陽電池の開発
- 壁面設置用Si太陽電池の高性能化に関する研究開発

研究チーム長紹介/挨拶
菅谷 武芳
複数のセルを組み合わせる多接合太陽電池は非常に高効率ですが、製造コストがかかるため普及させることができていません。われわれが研究している成膜技術や接合技術は、世界で例を見ない多接合太陽電池の低コスト製造技術です。これに一層の磨きをかけ実用化に結び付けたいと考えています。
メンバー紹介
齋 均
SVRCEK Vladimir
大島 隆治
庄司 靖
徐 志豪
MCDONALD Calum
ABUDUHEBAIER Mierzaaihemaiti
奥 登志喜
宮本 晃之
牧田 紀久夫
南雲 大輔
Alessi Bruno
石塚 尚吾
鯉田 崇
水野 英範
上川 由紀子
西永 慈郎
加藤 俊一
熊谷 日出生
佐藤 芳樹
田辺 まゆみ
藤田 明美
米川 理惠
ハイドライド気相成長法(HVPE)とスマートスタックによるⅢ-Ⅴ族化合物半導体太陽電池の低コスト化の研究
現在最も変換効率が高い太陽電池は、Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体を使った多接合太陽電池です。種類の異なる太陽電池を組み合わせることで、太陽光の波長全体を吸収できるため高効率ですが、結晶成長コストや基板コストが高く一般には普及していません。製造コストを下げるため、我々は結晶成長コストを90%削減可能なHVPE法と、低コストのSiやCIGSとⅢ-Ⅴ族を接合可能なスマートスタック法を用いて、変換効率35%超の多接合太陽電池を低コスト(200円/W)で作製する研究をしています。この目標を達成することで、無人航空機や自動車用など、移動体への応用が期待されます。
これまでにHVPEを用いて作製した2接合太陽電池で28.3%、スマートスタックを用いた3接合太陽電池で28.1%の、世界最高の変換効率を達成しています。

結晶Si太陽電池の低コスト・高効率化技術と多接合化技術、新市場用セル・モジュール技術の開発
一方、世界でもっとも広く普及している結晶Si太陽電池では、安価な材料・プロセスで高効率デバイスを製造する技術や新しい用途に向けたセル・モジュール技術の開発が求められています。
これまでに、50ミクロン厚(通常の約1/3)の超薄型結晶Si太陽電池を開発し、23.3%の変換効率を実証しました。これによりSiの消費を削減するとともに、建物などの曲面に結晶Si太陽電池を設置できることが期待されます。また、安価な材料(酸化チタン)を製膜することで発電する新型理結晶Si太陽電池の開発や、生産性に優れたペロブスカイト-結晶Siタンデム型太陽電池、ビル壁面応用に向けたストライプ型Si太陽電池やモジュールの色調制御技術などを開発しています。

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